【映画紹介】豊田(周辺)の映画館上映お勧め作紹介(2021年3月)

「映画街人とよた」代表の清水が、豊田周辺映画館[イオンシネマ豊田KiTARA]と[ムービックス三好]で観られるお勧め映画を紹介するコラムです。テレビ等でバンバン宣伝しているメジャー作品はなるべく避けたラインナップにするつもりです。
※作品すべての試写等を見ている訳ではなく、期待度も含めたごく個人的なお勧め作品です、あらかじめご了承ください。
本ページにて月イチペースでお勧め映画紹介していきたいと思います、よろしくお願いします。

イオンシネマ豊田KiTARA  https://www.aeoncinema.com/cinema/toyota/
「NO CALL NO LIFE」3月5日より上映
監督:井樫彩 出演:優希美青 井上祐貴
大学在学中に制作した自主映画がぴあフィルムフェスティバルで受賞し、カンヌ映画祭への出品も果たした25歳の井樫彩監督長編第2作。過去作未見なんですが、新進気鋭の監督がホリプロ60周年記念というプログラムピクチャーでどれくらいの実力が出せているかに期待を込めて紹介します。
期待度☆☆☆★★

「名探偵コナン 緋色の不在証明」3月5日より上映
出演:高山みなみ 池田秀一 日髙のり子 森川智之 田中敦子 ほか
誰もが知っているアニメシリーズでここで紹介するタイプの映画ではないんですが、、、さらに新作ではなくTVアニメシリーズ特別総集編らしいですが、、、名探偵コナンシリーズのプロデューサー諏訪道彦さんは豊田市出身なんですよね。ご存じの方も多いかもですが、それだけ言いたくて入れました。
期待度☆☆☆★★

「シン・エヴァンゲリオン劇場版」3月8日より上映
総監督:庵野秀明/監督:鶴巻和哉/中山勝一/前田真宏
1995年に放送されたTVシリーズ「新世紀エヴァンゲリオン」を、2007年から「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」シリーズとしてリブートし、「:序」「:破」「:Q」の3作が公開され、本作が第4作目となる。
…というのが公式の紹介ですが、現在の30~40代男性の圧倒的なエヴァンゲリオン愛を横目に見つつちょっと上の世代として“一応観てきた”身なんですが、今にして思うと、エヴァンゲリオンの世界って今の日本の暗澹たる状況を先取りしていたなぁと思うし、そんなテーマを「シン・ゴジラ」で集大成しヒットと評価を得た(「シン・ゴジラ」いい映画でした)庵野監督がその“シン”をつけたエヴァンゲリオンの新作なら「観たいなぁ」という気持ちを強くしています、ハイ。
期待度☆☆☆☆★

「騙し絵の牙」3月26日より上映中
監督:吉田大八 出演:大泉洋 松岡茉優
「桐島、部活やめるってよ」「紙の月」などプログラムピクチャーながらひと癖ふた癖ある映画を撮り続けている吉田大八監督作ということでここに入れました。吉田監督は...波もあるし、本作は本屋大賞ランクイン原作の映画化というバリバリのプログラムピクチャ―なので、面白いかそうでもないかどっちに転ぶか心配な面もありますが、、、。
期待度☆☆☆★★

ムービックス三好 https://www.smt-cinema.com/site/miyoshi/index.html
前置き。
例年2月に開催していた米アカデミー賞が、コロナ禍の関係で今年は4月末開催になったんですね。なので、3月にアカデミー受賞作品がどっと公開されるのが常なんですが、今年はその枠が空いてしまっている感じです。
そんな中なので、今月はムービックス三好で上映されるミニシアターな渋い洋画を2作品紹介しようと思います。
ムービックス三好って、こういう時期でなくてもいわゆるシネコンではあまり上映されないミニシアターな作品をコンスタントに上映しています。一説には、全国的にも収益トップクラスのムービックス三好だからこそこういう独自の番組が組めるという話を聞いたこともあります(収益が低いと中央から客の入る映画をやれってプレッシャーがかかるので)。
従来なら名古屋のミニシアターまで行かないと観られない良品を近くで観られるチャンスをぜひ。

「ワン モア ライフ!」3月12日より上映
監督:ダニエーレ・ルケッティ 出演:ピエルフランチェスコ・ディリベルト
中年男パオロは、交通事故に遭遇し天国の入口に着くが、92分間だけ地上に戻れることになる。これまでいいかげんに生きてきた自身を猛省したパオロは...人生のロスタイムを手に入れたダメおやじの92分一本勝負!愛と感謝と懺悔のイタリアン疾走コメディ。

「クイーンズ・オブ・フィールド」3月19日より上映
監督:モハメド・ハミディ 出演:カド・メラッド
サッカーが盛んな北フランスの町クルリエール。名門チームSPACが試合中に乱闘騒ぎを起こした主軸選手が今シーズン出場停止となってしまい、解散の危機に直面したチームを救うため女性たちが立ち上がる。しかし、主婦やシングルマザー、女子高生などサッカー経験のないメンバーから成る寄せ集めチームは、早速窮地に追い込まれ…。

2作とも監督過去作を見ているわけではなく紹介に根拠はないんですが、、、ムービックス三好選定のミニシアター系映画なら多分面白いでしょうという期待を込めて。
期待度☆☆☆★★

先月紹介して鑑賞してきた2作の感想も。
「すばらしき世界」ムービックス三好にて上映中
監督:西川美和 出演:役所広司 仲野太賀 長澤まさみ
いや~、とても“すばらしき”映画でした。現在的な様々な社会的テーマを内包した映画なんですが、包括して「法の中で生きている人」対「法の外で生きている人」というテーマを強く感じました。法の外で生きている人というのは無法者ということではなくて、法律には書かれていない、人と人が関わる上でのやりとりとか掟みたいなものを中心に生きている人ってことで、それがどんどんなくなってきている現在の状況がとてもリアルに出ていました。「法の中に生きている」周りの人々(役所のケースワーカーとかスーパーの店長とかテレビディレクターとか)が少しずつ法の外に触れていくー役所広司演じる主人公に触れていくー過程が大筋なんですが(仲野太賀演じるテレビディレクターの成長物語としてストーリーが流れている)、この世界を何とかするための処方は、そういう小さなことの積み重ねしかない、という提示もとてもリアルでした。
が、、、もしかしたら、この映画を見て「短気でわきまえない面倒な元やくざのおじさんが騒いでいるだけの映画じゃないか」としか思えない人の方がマジョリティになってるのではないか、、、小さなことの積み重ねももうできないんじゃないか、、、という恐怖も感じてしまう、そんなことも考えてしまうリアルな観後感のある映画でした。
鑑賞済☆☆☆☆☆

「世界で一番しあわせな食堂」ムービックス上映中
監督:ミカ・カウリスマキ
フィンランドの世界的巨匠カウリスマキ兄弟の兄ミカ・カウリスマキ監督作。弟のアキ・カウリスマキ監督作は多数観てきましたが、兄作は実は初めてでした。でも、弟作と変わらず、ちょっぴり可笑しく、でも温かく、小さな小さな人と人との関わりを豊かに丁寧に描く良作でした。やっぱりお勧めします。
鑑賞済☆☆☆☆★

清水雅人プロフィール
2000年頃より自主映画製作を始め、映画作り仲間を中心に周辺の映画製作団体も統合してM.I.F(ミフ Mikawa Independet Movie Factory)を設立。監督作「公務員探偵ホーリー2」「箱」などで国内の映画賞を多数受賞。また、全国の自主制作映画を上映する小坂本町一丁目映画祭を開催。
2012年、サラリーマンを退職/独立し豊田星プロを設立。豊田ご当地アイドルStar☆T(すたーと)プロデユース、映像制作、イベント企画など行う。
2016年、豊田では初の市内全域を舞台にした劇場公開作「星めぐりの町」(監督/黒土三男 主演/小林稔侍 2017年全国公開)を支援する団体 映画「星めぐりの町」を実現する会を結成し、キャストオーディションやエキストラ管理、協賛金事業などをサポート。
2020年、映画「星めぐりの町」を実現する会を発展継承する形で「映画街人とよた」を設立。豊田市における継続的な映画映像文化振興事業を行う。


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