【映画紹介】豊田(周辺)の映画館上映お勧め作紹介(2021年4月)

「映画街人とよた」代表の清水が、豊田周辺映画館[イオンシネマ豊田KiTARA]と[ムービックス三好]で観られるお勧め映画を紹介するコラムです。テレビ等でバンバン宣伝しているメジャー作品はなるべく避けたラインナップにしています。
※試写等を見ている訳ではなく、期待度も含めたごく個人的なお勧め作品です、あらかじめご了承ください。
本ページにて月イチペースでお勧め映画紹介していきたいと思います、よろしくお願いします。

イオンシネマ豊田KiTARA  https://www.aeoncinema.com/cinema/toyota/
「ノマドランド」上映中
監督:クロエ・ジャオ 出演:フランシス・マクドーマンド
先月の投稿時には上映予定に入ってなかったので、アカデミー賞有力候補で急きょ上映開始となったようです。本作のようなミニシアター系映画が近くで公開されるのはうれしい限りでさっそく観てきました。
ノンフィクション「ノマド:漂流する高齢労働者たち」が原作で、いわゆる車上生活者を淡々と描くロードムービー。告発的な社会派ドラマかと思いきや(もちろんそういう側面もありますが)、観ていく内に人間の本来の姿、根源的な何かが見えてきてしまう瞬間があって、また、きわめて映画的な、寒々としたアメリカ内地の「車」「道」「旅」の景色が“ああ、映画だなぁ”とついほほ笑んでしまう、そんな映画でした。
大きなストーリー展開はなく、泣いて笑ってというようなエンターテイメント作品ではないですが、たまにはこういう小品はいかがでしょうか。
コーエン兄弟作(「ミラーズクロッシング」「ファーゴ」ほか)や「プロミスト・ランド」「スリー・ビルボード」などのフランシス・マクドーマンドも相変わらずいい味出してます。
鑑賞済☆☆☆☆★

「裏アカ」4月2日より上映
監督:加藤卓哉 出演:瀧内公美
タイトルのとおりSNSによって新たな世界に巻き込まれていく女性を描く。こちらもシネコンではなかなか上映のないミニシアター系映画ですね。監督は様々な現場で長年助監督を務めてきた人で劇場公開デビュー作、脚本は知る人ぞ知る高田亮(「婚前特急」「きみはいい子」など)、主演は「火口のふたり」で2020年のキネマ旬報主演女優賞の瀧内公美、となかなか映画通の興味をそそる映画です。
期待度☆☆☆☆★

「砕け散るところを見せてあげる」4月9日より上映
監督:SABU 出演:中川大志 石井杏奈
SABU監督って30代前半で監督デビューして海外映画祭への出品も多くて、私が映画作り始めた頃周りはみんな知ってる名前だったけど、最近作はあんまり観てないんですが、、、。
SABU監督ということで、お勧めに入れておきます。
期待度☆☆☆★★

「バイプレイヤーズ〜もしも100人の名脇役が映画を作ったら〜」4月9日より上映中
監督:松居大悟 出演:田口トモロヲ 松重豊 光石研 遠藤憲一
テレビ東京金曜深夜枠で放送のドラマの映画化。原則「テレビドラマの映画化にいい映画なし」というのが持論なんですが(ちゃんと理由も説明できますが長くなるのでやめておきます)、このドラマ1作目からファンでずっと観てきたので、やっぱり見に行きたいなぁ。ドラマ観てない人は観なくてもいいかな、と思いますけど。
期待度☆☆☆★★

ムービックス三好 https://www.smt-cinema.com/site/miyoshi/index.html
「ゾッキ」上映中
監督:竹中直人 山田孝之 齊藤工 出演:吉岡里帆
竹中直人 山田孝之 齊藤工の3人が共同監督という本作は、なにより蒲郡市で全面撮影とのことで地元での映画作りしたり撮影支援をしている身としては観ておきたいですね~。イオンシネマ豊田KiTARAでも上映あるようですが、開始日は未定です。
期待度☆☆☆★★

「サンドラの小さな家」4月2日より上映
監督:フィリダ・ロイド 出演:クレア・ダン
サンダンスほか世界の映画祭で評価された「マンマ・ミーア!」等のフィリダ・ロイドが監督するヒューマンドラマ。外れのなさそうな、よさそうな映画です。
期待度☆☆☆☆★

「BLUE/ブルー」4月9日より上映
監督:吉田恵輔 出演:松山ケンイチ 木村文乃 柄本時生 東出昌大
松山ケンイチ出演のボクシング映画。「犬猿」「愛しのアイリーン」の吉田恵輔監督ということでお勧めです。
期待度☆☆☆★★

「パーム・スプリングス」4月9日より上映
監督:マックス・バーバコウ
アイディア満載で作った低予算映画がサンダンス映画祭で注目され、そのままスマッシュヒット&評価されてゴールデングローブ賞コメディ・ミュージカル部門ノミネート、というアメリカンサクセスムービーパターンのコメディ。同じ1日が何回も繰り返されるいわゆる“タイムループもの”自体をネタにしている感じも面白そう。
期待度☆☆☆★★

番外編
ちょっと遠いですが、TOHOシネマズ プライムツリー赤池で上映中の作品も。
「まともじゃないのは君も一緒」上映中
監督:前田弘二 出演:成田凌、清原果耶
「婚前特急」の前弘二監督×高田亮脚本コンビ作(高田亮は本欄でお勧めの「裏アカ」も脚本)で、結構面白いって評判を耳にします。4月8日で上映終了ですがよろしければぜひ。
期待度☆☆☆☆★

清水雅人プロフィール
2000年頃より自主映画製作を始め、映画作り仲間を中心に周辺の映画製作団体も統合してM.I.F(ミフ Mikawa Independet Movie Factory)を設立。監督作「公務員探偵ホーリー2」「箱」などで国内の映画賞を多数受賞。また、全国の自主制作映画を上映する小坂本町一丁目映画祭を開催。
2012年、サラリーマンを退職/独立し豊田星プロを設立。豊田ご当地アイドルStar☆T(すたーと)プロデユース、映像制作、イベント企画など行う。
2016年、豊田では初の市内全域を舞台にした劇場公開作「星めぐりの町」(監督/黒土三男 主演/小林稔侍 2017年全国公開)を支援する団体 映画「星めぐりの町」を実現する会を結成し、キャストオーディションやエキストラ管理、協賛金事業などをサポート。
2020年、映画「星めぐりの町」を実現する会を発展継承する形で「映画街人とよた」を設立。豊田市における継続的な映画映像文化振興事業を行う。


【お知らせ】豊田市内各所で撮影の映画「僕と彼女とラリーと」タイトルほか情報解禁されました

昨年11月~12月にかけて豊田市内各所で撮影を行い、映画街人とよたにてエキストラ募集・派遣等の協力も行ったラリーにまつわる映画の、タイトルと公開時期、先行ビジュアルが公開され、公式サイトもオープンしました!

【映画タイトル】僕と彼女とラリーと
【公開時期】2021年秋
【公式サイト】https://bokukano-rally.com/

昨日プレスリリースされ、各映画情報サイト等への掲載も進んでいます。
映画情報どっとこむ https://eigajoho.com/archives/199860
ほか

今年秋の公開に向け本サイトでも順次情報お知らせしていきます。どうぞお楽しみに!
※出演者の発表等はまだされていません、もう少々お待ちください。








【その他、イベント等】とよたビジネスフェア2021にて豊田にて撮影された映画の紹介ブースが展示

2020年11~12月に豊田市内各所で撮影を行い、映画街人とよたにてエキストラ募集・派遣も行ったラリーにまつわる劇場公開映画の紹介が「とよたビジネスフェア」にてあります。撮影で使ったラリー車両などの展示がされるとのことです。制作発表がまだされてませんので、映画タイトルや出演者名等の公表はまだですが、、、ご興味のある方どうぞお立ち寄りください!
詳しくは主催者ページをご確認ください → https://www.toyota-bizfair.jp/detail.html

総合展示会 とよたビジネスフェア2021
【日時】2021年3月11日(木)、3月12日(金) 10:00-17:00
【会場】スカイホール豊田 メインホール(豊田市八幡町1-20)
【内容】テーマ「変革を勝機に」
100年に一度と言われる大変革期が到来し、自動車産業を中心に第4次産業革命やCASEに乗り遅れることなく、自社ビジネスを軌道に乗せることをイメージしております。皆さまの優れた技術・製品のPRの場や商談の機会を提供いたします。
企業・団体等によるブース展示、講演会・セミナー・学生就活イベントなど
【入場料】無料
【主催】豊田市・豊田商工会議所

優れた技術・製品を作り出している企業や関連する小売・サービス事業者等が集まる総合展示会で、豊田市をはじめ周辺地域の「ものづくり」を体感する2日間です。展示会や商談会を通じて多くの情報交換や商談が行われ、その先のビジネスに結びついています。一度止まってしまったものを再始動させるきっかけにしてください。

■今回の開催にあたり
感染症防止対策
とよたビジネスフェアでは、愛知県が示すガイドラインに沿って、運営を行います。
入場時での検温ならびに消毒の実施等を行います。何卒ご協力のほど宜しくお願い致します。
※ソーシャルディスタンシング等の兼ね合いで例年より予定小間数が減ることが予想されます。また、出展につきましては原則市内企業優先とし、出展希望多数の場合、出展小間数の調整を依頼する場合がございます。予めご了承ください。


【映画紹介】豊田(周辺)の映画館上映お勧め作紹介(2021年3月)

「映画街人とよた」代表の清水が、豊田周辺映画館[イオンシネマ豊田KiTARA]と[ムービックス三好]で観られるお勧め映画を紹介するコラムです。テレビ等でバンバン宣伝しているメジャー作品はなるべく避けたラインナップにするつもりです。
※作品すべての試写等を見ている訳ではなく、期待度も含めたごく個人的なお勧め作品です、あらかじめご了承ください。
本ページにて月イチペースでお勧め映画紹介していきたいと思います、よろしくお願いします。

イオンシネマ豊田KiTARA  https://www.aeoncinema.com/cinema/toyota/
「NO CALL NO LIFE」3月5日より上映
監督:井樫彩 出演:優希美青 井上祐貴
大学在学中に制作した自主映画がぴあフィルムフェスティバルで受賞し、カンヌ映画祭への出品も果たした25歳の井樫彩監督長編第2作。過去作未見なんですが、新進気鋭の監督がホリプロ60周年記念というプログラムピクチャーでどれくらいの実力が出せているかに期待を込めて紹介します。
期待度☆☆☆★★

「名探偵コナン 緋色の不在証明」3月5日より上映
出演:高山みなみ 池田秀一 日髙のり子 森川智之 田中敦子 ほか
誰もが知っているアニメシリーズでここで紹介するタイプの映画ではないんですが、、、さらに新作ではなくTVアニメシリーズ特別総集編らしいですが、、、名探偵コナンシリーズのプロデューサー諏訪道彦さんは豊田市出身なんですよね。ご存じの方も多いかもですが、それだけ言いたくて入れました。
期待度☆☆☆★★

「シン・エヴァンゲリオン劇場版」3月8日より上映
総監督:庵野秀明/監督:鶴巻和哉/中山勝一/前田真宏
1995年に放送されたTVシリーズ「新世紀エヴァンゲリオン」を、2007年から「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」シリーズとしてリブートし、「:序」「:破」「:Q」の3作が公開され、本作が第4作目となる。
…というのが公式の紹介ですが、現在の30~40代男性の圧倒的なエヴァンゲリオン愛を横目に見つつちょっと上の世代として“一応観てきた”身なんですが、今にして思うと、エヴァンゲリオンの世界って今の日本の暗澹たる状況を先取りしていたなぁと思うし、そんなテーマを「シン・ゴジラ」で集大成しヒットと評価を得た(「シン・ゴジラ」いい映画でした)庵野監督がその“シン”をつけたエヴァンゲリオンの新作なら「観たいなぁ」という気持ちを強くしています、ハイ。
期待度☆☆☆☆★

「騙し絵の牙」3月26日より上映中
監督:吉田大八 出演:大泉洋 松岡茉優
「桐島、部活やめるってよ」「紙の月」などプログラムピクチャーながらひと癖ふた癖ある映画を撮り続けている吉田大八監督作ということでここに入れました。吉田監督は...波もあるし、本作は本屋大賞ランクイン原作の映画化というバリバリのプログラムピクチャ―なので、面白いかそうでもないかどっちに転ぶか心配な面もありますが、、、。
期待度☆☆☆★★

ムービックス三好 https://www.smt-cinema.com/site/miyoshi/index.html
前置き。
例年2月に開催していた米アカデミー賞が、コロナ禍の関係で今年は4月末開催になったんですね。なので、3月にアカデミー受賞作品がどっと公開されるのが常なんですが、今年はその枠が空いてしまっている感じです。
そんな中なので、今月はムービックス三好で上映されるミニシアターな渋い洋画を2作品紹介しようと思います。
ムービックス三好って、こういう時期でなくてもいわゆるシネコンではあまり上映されないミニシアターな作品をコンスタントに上映しています。一説には、全国的にも収益トップクラスのムービックス三好だからこそこういう独自の番組が組めるという話を聞いたこともあります(収益が低いと中央から客の入る映画をやれってプレッシャーがかかるので)。
従来なら名古屋のミニシアターまで行かないと観られない良品を近くで観られるチャンスをぜひ。

「ワン モア ライフ!」3月12日より上映
監督:ダニエーレ・ルケッティ 出演:ピエルフランチェスコ・ディリベルト
中年男パオロは、交通事故に遭遇し天国の入口に着くが、92分間だけ地上に戻れることになる。これまでいいかげんに生きてきた自身を猛省したパオロは...人生のロスタイムを手に入れたダメおやじの92分一本勝負!愛と感謝と懺悔のイタリアン疾走コメディ。

「クイーンズ・オブ・フィールド」3月19日より上映
監督:モハメド・ハミディ 出演:カド・メラッド
サッカーが盛んな北フランスの町クルリエール。名門チームSPACが試合中に乱闘騒ぎを起こした主軸選手が今シーズン出場停止となってしまい、解散の危機に直面したチームを救うため女性たちが立ち上がる。しかし、主婦やシングルマザー、女子高生などサッカー経験のないメンバーから成る寄せ集めチームは、早速窮地に追い込まれ…。

2作とも監督過去作を見ているわけではなく紹介に根拠はないんですが、、、ムービックス三好選定のミニシアター系映画なら多分面白いでしょうという期待を込めて。
期待度☆☆☆★★

先月紹介して鑑賞してきた2作の感想も。
「すばらしき世界」ムービックス三好にて上映中
監督:西川美和 出演:役所広司 仲野太賀 長澤まさみ
いや~、とても“すばらしき”映画でした。現在的な様々な社会的テーマを内包した映画なんですが、包括して「法の中で生きている人」対「法の外で生きている人」というテーマを強く感じました。法の外で生きている人というのは無法者ということではなくて、法律には書かれていない、人と人が関わる上でのやりとりとか掟みたいなものを中心に生きている人ってことで、それがどんどんなくなってきている現在の状況がとてもリアルに出ていました。「法の中に生きている」周りの人々(役所のケースワーカーとかスーパーの店長とかテレビディレクターとか)が少しずつ法の外に触れていくー役所広司演じる主人公に触れていくー過程が大筋なんですが(仲野太賀演じるテレビディレクターの成長物語としてストーリーが流れている)、この世界を何とかするための処方は、そういう小さなことの積み重ねしかない、という提示もとてもリアルでした。
が、、、もしかしたら、この映画を見て「短気でわきまえない面倒な元やくざのおじさんが騒いでいるだけの映画じゃないか」としか思えない人の方がマジョリティになってるのではないか、、、小さなことの積み重ねももうできないんじゃないか、、、という恐怖も感じてしまう、そんなことも考えてしまうリアルな観後感のある映画でした。
鑑賞済☆☆☆☆☆

「世界で一番しあわせな食堂」ムービックス上映中
監督:ミカ・カウリスマキ
フィンランドの世界的巨匠カウリスマキ兄弟の兄ミカ・カウリスマキ監督作。弟のアキ・カウリスマキ監督作は多数観てきましたが、兄作は実は初めてでした。でも、弟作と変わらず、ちょっぴり可笑しく、でも温かく、小さな小さな人と人との関わりを豊かに丁寧に描く良作でした。やっぱりお勧めします。
鑑賞済☆☆☆☆★

清水雅人プロフィール
2000年頃より自主映画製作を始め、映画作り仲間を中心に周辺の映画製作団体も統合してM.I.F(ミフ Mikawa Independet Movie Factory)を設立。監督作「公務員探偵ホーリー2」「箱」などで国内の映画賞を多数受賞。また、全国の自主制作映画を上映する小坂本町一丁目映画祭を開催。
2012年、サラリーマンを退職/独立し豊田星プロを設立。豊田ご当地アイドルStar☆T(すたーと)プロデユース、映像制作、イベント企画など行う。
2016年、豊田では初の市内全域を舞台にした劇場公開作「星めぐりの町」(監督/黒土三男 主演/小林稔侍 2017年全国公開)を支援する団体 映画「星めぐりの町」を実現する会を結成し、キャストオーディションやエキストラ管理、協賛金事業などをサポート。
2020年、映画「星めぐりの町」を実現する会を発展継承する形で「映画街人とよた」を設立。豊田市における継続的な映画映像文化振興事業を行う。